【Q＆A】Meta広告で性別設定を女性にしているのに男性に表示されるのはなぜ？

集まる集客リサーチャー田上倫之です。
こんな質問をいただきました！集まる集客プロデューサー長瀬葉弓の答えを代わりにお伝えします。

この記事のハイライト

・Meta広告では「女性のみ」に設定しても、AIが効果最優先で一部男性にも広告を表示する仕組みになっている。

・性別設定はあくまで「目安」であり、「Advantage+」機能などにより、最適化の一環として自動的に対象が広がる可能性がある

・広告マネージャーのレポート上、表示回数が極端に少ない場合は「0%」と四捨五入表示される仕様のため、実際には表示されていても数値に出ないことがある。

・「完全に女性だけに見せたい」場合でも完全排除は不可能。ただし、表示回数を減らす設定や対策は存在する。

Meta広告で「女性だけ」にしたのに、男性にも表示されるのはなぜ？

Meta広告（FacebookやInstagramの広告）で「ターゲット設定」を「女性にだけ」にしたはずなのに、なぜか男性に表示されていることがある。

それは設定ミスでも不具合でもなく、Metaの仕組みが少しずつ変わってきたからなんです。

実は、ターゲットの性別の設定は「目安」です

以前は、ターゲット「女性のみ」に設定すれば、その通り女性にしか表示されませんでした。

ところが最近は、MetaのAIが広告の効果を上げるために、設定を「参考」にしながら、自動でターゲットを設定を超えて広げてしまうことがあります。

たとえば、設定では女性だけにしていても、男性の中に興味を持ちそうな人がいれば、そこにも広告が表示されてしまうのです。

「ターゲット設定はあくまで『参考』であり、効果が見込めるなら設定を自動的に広げることがある」そういった趣旨のことが、metaの公式サイトにも書いてあります。

デフォルトでは、年齢によるターゲット設定と性別によるターゲット設定は、オーディエンス管理の最低年齢とは別に、オーディエンスの提案として設定されます。

オーディエンスの提案では、反応する可能性が高い人に自動的に広告が表示されます。

自分が選択したオーディエンスに加え、パフォーマンスが向上する可能性が高い場合にはそれ以外のオーディエンスにも広告が表示されます。

また、これはMetaが導入した Variance Reduction System（VRS） の影響も考えられます。これは、「対象外の属性を完全に締め出さない」「性別・人種などの広告配信の偏りを最小限にする」よう配信を微調整するシステムのことです。

新しい広告機能「Advantage+」が影響しています

この現象の主な要因としては、「Advantage+」という自動設定機能が影響しています。

新しい広告機能「Advantage+」では、性別や年齢などの設定はあくまで「目安」として扱われます。広告をたくさんの人に見てもらって、効果を出すために、AIが勝手に表示する相手を増やすことがあるんですね。

たとえば、最初は女性にだけ表示されていた広告が、途中で男性が「いいね」やコメントをしたことで、Metaが「この広告は男性にもウケるかも」と判断し、男性への配信を増やすこともあるんです。

性別の情報が分からない人や設定していない人にも表示される場合がある

また、広告設定や機能の問題ではなく、広告を見る人の性別の設定が影響することもあります。

例えば、Facebookのプロフィールで性別を非公開にしている人や、「男性でも女性でもない」と設定している人もいます。Meta広告は、こういった場合でも投稿内容や使っている言葉などから性別を推測して広告を出すことがあります。

なぜ、管理画面を見ると男性は０％になっているのか？

相談者の方によると、「設定を女性にしたはずなのに、男性の知り合いから広告が表示されたと連絡があった。しかし、管理画面を見る限り男性は0%と表示されていた」とのことでした。

これは、レポートの丸め処理がされていると考えられます。

広告マネージャーは極端に少ないインプレッションを0 %に四捨五入表示します。1〜2回の表示なら、四捨五入しても1%にならないくらい少ない割合なので、数値上は0 %のままで表示されるのです。

本当に「女性だけ」に見せたいときの対処法

上述したMeta社の「ターゲット設定はあくまで目安」という考え方や、差別を防ぐシステムの影響で、「完全に男性をシャットアウトして、1人も広告を表示させない」ということはできません。

それでも「やっぱりどうしても女性だけに見せたい」という場合には、以下の対策をしてみてください。ゼロにはできなくても、減らすことは可能です。

① ターゲットと設定を「手動設定」に変えて、提案をオフにする

広告の設定を、Advantage＋に任せずに、手動で設定することができます。また、「反応がありそうなら、設定外の人も広告を表示する」という機能を止めることもできます。

やり方は下記の通りです。

広告のクリエイティブ（文章や画像）を、明らかに女性向けにする

例えば「ママのための」「40代からの美しさを応援」など、男性が興味を持ちにくい表現にすることで、配信対象を絞りやすくなります。

まとめ

Metaの広告は「設定通りに配信すること」よりも「効果が出るように最適化すること」が重視される仕組みです。そのため、設定と違う結果になることもあります。

しかし、それは「ムダな広告費」になるとは限りません。興味がなければ男性はスルーするだけですし、もし男性が購入したら、それは新しいターゲット発見にもつながります。

本当に女性だけに見せたい場合は、設定を見直したり、広告の内容を工夫しましょう

完全に防ぐのは難しいですが、割合を減らすことはできます。

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