リールのリーチが戻らない理由を、7月29日のMetaの発表で説明できるようになりました。
投稿時間を変えました。ハッシュタグも見直しました。流行の音源も試しました。
それでも数字が戻らないとき、多くの方が「アルゴリズムが変わったのかな」と考えます。
わたしもそうでした。
半分は当たっています。半分は、ちがう場所にありました。
2026年7月29日、Metaが広告の配り方を変えたと公表しました
2026年7月29日、Metaが第2四半期の決算で「Meta Generative Recommender」という仕組みを公表しました。
広告の配り方が変わった、という発表です。
Metaの説明を、そのまま日本語にするとこうなります。
あり得る広告をひとつずつ採点するのではなく、LLM(大量の文章を読んで意味を扱えるAI。ChatGPTの中身と同じ種類のものです)を使って、広告の中身と、その人の好みを一緒に読み取り、その人にとって最良の広告を予測する。
前は、広告を1本ずつ点数付けして、いちばん高いものを出していました。
これからは、AIが中身を読んで、この人に合うかどうかを判断します。
数字も出ています。広告のクリックが8.3パーセント増、Facebookのコンバージョンが15.7パーセント増、Instagramのアプリイベントのコンバージョンが1パーセント増。
ここまでは広告の話です。同じ決算の中に、もう1つ書かれていました。
オーガニック(広告ではない、ふだんの投稿)のコンテンツ推薦と、広告推薦を、同じ基盤モデルで動かす方向を進めている。
つまり、ふだんの投稿も、同じ頭で判断される方向に進んでいる、ということです。
AIは、投稿の中身を読んで「誰に出すか」を決めています
ここが今日いちばんお伝えしたいところです。
AIは、投稿の中身を読んで「誰に出すか」を決めています。
そうすると、こういうことが起きます。
誰に向けた投稿なのかが中身から読み取れないとき、AIは配り先を決められません。
決められないものは、小さく試されて、そこで止まります。
小さく試される、というのは比喩ではありません。
Metaは2024年4月30日に、推薦できる投稿をまず「関心のありそうな小規模の利用者群」へ見せて、反応の良いReelsを段階的に広げていく順位づけを発表しています。
最初の小さな群を選ぶ材料が、投稿の中身です。
そしてInstagramには、本番で動いている機械学習モデルが1,000を超えている、とMetaのエンジニアリングブログが2025年5月21日に説明しています。
1つの魔法のアルゴリズムがあるのではありません。
表示される場所ごとに、予測している行動も違います。Meta透明性センターのAI System Cardsには、こう整理されています。Feedのおすすめは、フォローしていない投稿との出会い。Stories は、主に既存の関係の更新と会話。Explore は、興味に近い新しい投稿の発見。Reels Chaining は、次に見るReelの選択で、3秒未満の離脱など複数の行動を予測しています。
売り場ごとに担当者がいて、それぞれ別の基準でお客様を案内している百貨店に近い形です。
「AIが100人に絞ったから」は、確定の原因ではありません
ここで、はじめの話に戻ります。
リーチが落ちた原因を「AIが賢くなって、必要な100人に絞られたから」と説明する言い方があります。
わたしも、そう聞いたことがあります。
この説明は、理解のための比喩です。リーチが下がった確定の原因ではありません。
原因をそこに置くと、直す場所が自分の外に出てしまいます。
過去28日の数字を、4つに分けて診る
では、どこを診るのか。
過去28日間の数字を並べて、下がったものと、同時に上がったものを書き出してみてください。
リーチが減って、送信や会話や相談が増えていたら、狭く深く届いた可能性です。
リーチが減って、合う人との会話は増えたのに相談の総数が減っていたら、相手は合っていて母数が足りない状態です。
リーチも視聴維持も保存も会話も、すべて減っていたら、そのときが企画と冒頭を診る番です。
リーチが増えて相談が減っていたら、広がったけれど仕事とつながっていない可能性があります。
同じ「リーチが減った」でも、直す場所が4つに分かれます。
ひとまとめに「AIのせい」にすると、この4つが見えません。
4つのどれであっても、先に決めておくものは1つでした
そして、4つのどれであっても、必ず先に決めておくものが1つあります。
誰に届けたいのか、です。
人に届くために必要だったこの1つが、AIが中身を読むようになったことで、AIに届け先を決めてもらうためにも必要になりました。
同じ1つで、両方が動きます。
わたしは、この設計をAI推薦設計と呼んでいます。
今日できることを、1つだけ
今日できることを1つだけ書いておきます。
次に届けたい一人の「昨日の一場面」を、一文で書いてみてください。
朝の何時に、どこで、何を見て、どんな気持ちになった人か。
役職でも、年齢でも、悩みの名前でもなく、一場面です。
それが書けたとき、投稿の冒頭は、その人の言葉から始められます。
実績は、届く場所からしか推薦されません。
この記事の出典
| 内容 | 出典 |
|---|---|
| Meta Generative Recommender/広告クリック+8.3%・FB コンバージョン+15.7%・IG コンバージョン+1%/オーガニックと広告の共通基盤 | Meta 2026年第2四半期決算(2026年7月29日) |
| 小規模の利用者群へ見せ、段階的に広げる | Meta 2024年4月30日 発表 |
| Instagramの本番稼働モデルが1,000超 | Meta Engineering 2025年5月21日 |
| 表示面ごとの役割と予測行動 | Meta透明性センター AI System Cards |
| リーチ低下の比喩は確定原因ではない/5つの診方 | Instagram最新攻略 AI感情設計 書籍版(第1章・7ページ) |
公開日:2026年8月11日 / 最終更新日:2026年8月11日
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次に届けたいおひとりを決めてから、AIに読まれる場所へ置くまでの順番をまとめたガイドブックです。


