Instagramは今や世界的に使用されているSNSの一つです。
個人の日常的な利用に限らず、企業や店舗の宣伝・ブランディングツールとしても普及しています。
Instagramではアカウント運用のヒントとなる情報を取得可能ですが、分析手法や活用方法が分からず、お困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで本記事では、Instagramに備わるインサイト機能を紹介し、得られるデータの種類や活用方法・分析手法・注意点などを解説します。
Instagramを使った集客・マーケティングを行っている方や、情報の分析・活用方法を知りたい方は、ぜひチェックしてください。
Instagramのインサイトとは
インサイトとは、Instagramが公式に打ち出している独自の分析評価ツールです。
アカウントのオーディエンスの属性や増減傾向、フィード投稿・ストーリーズ・リール動画・ライブ動画など各コンテンツのオーディエンスに対するパフォーマンスをチェックできます。
正確な数値を棒グラフや円グラフなどのツールで分かりやすく見られるため、アカウント運用やマーケティング戦略立案に便利です。
企業アカウントの場合、インサイトを定期的にチェックし情報を効率よく活用すれば、企業のブランディングや売上アップを期待できます。
Instagramのインサイト機能は、全てのプロアカウントで無料で閲覧可能です。
プロフィール画面や設定画面内の「インサイト」ボタンをタップすると、該当ページに飛べます。
トップには表示期間中のアカウントのパフォーマンス(リーチしたアカウント数・増減率、いいねやコメントなどのエンゲージメント数・増減率、総フォロワー数など)のハイライトとシェアしたコンテンツが提示されます。
表示期間は過去1週間から最大90日以内の設定が用意され、自由に選択可能です。
また、写真やリール動画の「インサイトを表示」ボタンからも各投稿のインサイト情報を確かめられます。
用途に応じて表示形態や分類フィルターを選べるため、非常に充実した分析評価ツールです。
企業のアカウントを運営するためには、インサイト情報を元に試行錯誤を繰り返すことが欠かせません。
Instagramのインサイトから得られるデータとその活用方法
Instagramのインサイトでは、「コンテンツ」「アクティビティ」「オーディエンス」に関する多種多様な情報を得られます。
貴重なデータをアカウント運営に活かすためには、数値の大小や増減だけを見るのではなく、明確な視点を持って分析することが重要です。
ここでは、Instagramのインサイトから得られるデータの種類と、その活用方法を具体的に見ていきましょう。
インプレッション数
インプレッション数とは、各投稿がオーディエンスの画面に映し出された合計回数です。
ある投稿を同一人物が2回見た場合も、インプレッション数は2回と計算されます。
インプレッション数はそれぞれの投稿のインサイトにおいて確認可能です。
また、インプレッションの経路を知ることもできます。
インプレッションの経路は、「発見」「ホーム」「プロフィール」「ハッシュタグ」「その他」の5種類です。
発見経由とは、Instagram上の虫眼鏡タブからの流入を指します。いわゆるバズる投稿において最も伸びる数値です。
ホーム経由とは、Instagramのホーム画面からの流入です。既存フォロワーによる閲覧数に近い数値となる傾向があります。
プロフィール経由とは、Instagramのプロフィールやフィード投稿を見た上で、各投稿にアクセスした数値です。
ハッシュタグ経由とは、各投稿に付けられる「#(ハッシュタグ)」の検索ページからの流入を指します。
その他の経由には、位置情報検索での表示や保存後の表示、DMでシェアされた時の表示などが含まれます。
活用方法
インプレッション数を見ることで、投稿の人気度やオーディエンスの好み・属性が分かりやすくなります。
投稿した写真のテイストや文章の情報量など、オーディエンスにとって価値が高かったポイントを分析しましょう。
また、流入経路を把握することも重要です。
例えば、新規フォロワーの獲得を目指す場合、ホーム経由よりも発見経由での流入が多い状態が望ましいです。
リーチ数
リーチ数とは、アカウントや各投稿にアクセスしたユーザーの数です。
インプレッション数と異なり、ある投稿を同一人物が2回見た場合でも、リーチ数は1回とカウントされます。アカウントが重複しないため、正確な人数を把握可能です。
インサイトの概要画面では、一定期間中にフィード投稿やストーリーズ・リールなどを覗いたユーザーの総数と前期間からの増減率が提示されます。
タップすると、リーチしたアカウントの主な国・地域・年齢層・性別などの属性を確かめられます。
他にも、フォロワーと非フォロワーの割合が円グラフで、コンテンツの種類(フィード投稿・ストーリーズ・リール動画など)ごとのリーチ数が横棒グラフで表され、リーチ数の把握が容易です。
それぞれの投稿のインサイト画面からも、リーチ数やフォロワー・非フォロワーの割合が分かります。
活用方法
リーチ数は、各投稿の効果を評価するための指標の一つであり、KPI(Key Performance Indicator)として設定するケースが多いです。
リーチ数が大きいほど、より多くの人に投稿が届き、企業のアカウントや商品情報を知ってもらう機会が増えます。
また、フォロワー・非フォロワーの割合において、フォロワーの数値が既存のフォロワー数に迫るほど、コンテンツがきちんとフォロワーに届いている状態になります。
反対にフォロワーの数値が既存のフォロワー数を下回っている場合、フォロワーがアカウントや投稿内容に興味を抱いていない状態となり、改善が必要です。
新規フォロワーの獲得を目指す場合は、非フォロワーの割合を重視した対策が求められます。
コンテンツごとのリーチ数を見れば、リーチを獲得しやすいコンテンツタイプが分かり、SNS集客戦略が立てやすくなるでしょう。
プロフィールのビュー数
プロフィールのビュー数とは、アカウントトップのプロフィール画面をユーザーが見た回数です。
それぞれの投稿のインサイトでは、投稿からプロフィール画面に飛んだ回数とフォローに繋がったアカウント数が分かります。
活用方法
プロフィールのビュー数は、投稿を見て企業やブランドに興味を持ったアカウント数を指します。
そのため、投稿した写真や動画・キャプションの内容によって、ユーザーをプロフィール画面へ導けたかを分析することが重要です。
また、プロフィールのビュー数はフォロワー数の増減とも関連します。
プロフィールのビュー数が多いにもかかわらずフォロー数が伸びない・減る場合は、コンテンツ内容に問題があるか、アカウントの世界観が統一されていない可能性もあり、改善が求められます。
投稿からプロフィール画面を訪問するケースは多いため、プロフィール情報の体裁を整えたり、企業HPや商品販売サイトのURLを載せたりしておきましょう。
プロフィール画面情報のクリック数
Instagramのプロフィール画面には、WebサイトURLや店舗の位置情報・電話ボタン・メールボタン・SMS送信ボタンなどを設置できます。
インサイト機能では、これらの情報やボタンをクリックした合計回数も閲覧可能です。
活用方法
電話やメールでの問い合わせ頻度は、Instagramの集客効果を測る指標となります。
また、プロフィール画面のWebサイトURLから商品やサービスの購入へ繋がった回数を参考にし、Instagramの世界観が適切に伝わっているか・オーディエンスにとって魅力あるコンテンツかどうかを判断しましょう。
エンゲージメント
エンゲージメントとは、投稿に対するオーディエンスの各種反応に関するデータです。
具体的には、いいね!・コメント・保存・シェア・フォローの各回数と総数を表します。
活用方法
エンゲージメントが多い投稿は、発見タブで表示されやすいです。
また、いいね!数や保存数はリーチ数とも関係があります。
最近ではInstagramが情報収集のプラットフォームとして利用されているため、保存数は重要性が高い指標の一つです。
リーチ数とエンゲージメント数の相関を分析し、オーディエンスが反応したくなるような魅力的なコンテンツを考えたり、発信方法を検討したりしましょう。
オーディエンス
オーディエンスとは、フォロワーに関するデータです。
インサイト概要欄では、現在のフォロワー総数や一定期間中のフォロワーの増減を確認できます。
また、フォロワーの国・地域分布や年齢層・性別・アクセス時間帯の分布なども把握可能です。
活用方法
オーディエンスの情報は、マーケティングや市場分析をする上で重要な材料です。
ブランドや商品・サービスのターゲット層と実際のオーディエンス属性が一致しているかを確認しましょう。
また、どのようなコンテンツを発信した時にフォロワーが増減したのかを分析しておくことで、Instagram運用の方向性や戦略を立てやすくなります。
Instagramのインサイトを分析する方法
Instagramのインサイトは、眺めているだけでは運用に活かせません。
ここでは、インサイトを分析する具体的な手順を見ていきましょう。
追うべきKPIを決める
まずはアカウント運用の目的に合わせ、追うべきKPI(重要目標達成指標)を定めます。
例えば、フォロワーを増加させて認知度を高めることが目標の場合、メインのKPIはフォロワー増加数となり、併せてリーチ数やプロフィールビュー数を重視する必要があります。
設定したKPIに対しての現在地を理解する
理想のKPI数値と実際のインサイト数値を見比べましょう。
また、過去のデータと比較しながら成長傾向にあるかを確認するのもポイントです。
PDCA・OODAを用いて改善を繰り返す
アカウントの現状や課題点を把握したら、PDCA(Plan・Do・Check・Action)やOODA(Observe・Orient・Decide・Act)のサイクルを用いて運用しましょう。
仮説を立てながら実行に移し、検証結果を次の仮説へ繋げていくことで、アカウントの問題点を改善していきます。
インサイトを使う際に注意しておくべきポイント
メリットの多いInstagramのインサイト機能ですが、使う際には多少の制限があります。
以下で注意すべきポイントをチェックしていきましょう。
プロアカウントに切り替える必要がある
Instagramで利用できるアカウントには、個人用とビジネス用の2種類があります。
多くの人がプライベートで所持している個人アカウントに対し、ビジネス用のプロアカウントでは各種ビジネスツールが使用可能です。
具体的には、プロフィール上に企業へ直接電話・メールできるボタンを設置したり、ショップの位置情報を載せたり、広告を出したりできます。
Instagramのインサイト機能も、プロアカウントでのみ使えます。
個人アカウントで作ってしまった場合は、プロアカウントに切り替えなくてはなりません。
Instagramでは、個人アカウントとプロアカウントをいつでも切り替え可能です。ただし、個人アカウントに切り替えた後、再びプロアカウントに戻した場合、インサイト情報がリセットされてしまうため注意しましょう。
フォロワー100人以上が求められる
Instagramのインサイトから得られるデータのうち、オーディエンスに関わる情報は、アカウントのフォロワーが100人以上でなければ閲覧できません。
年齢層や男女比・居住地区など顧客となりうるオーディエンスの属性を知るためには、十分なフォロワー母数が必要です。
開設して間もないアカウントや知名度の低いアカウントは、まずはフォロワーを100人獲得できるように頑張りましょう。
スマートフォンアプリでのみ確認できる
InstagramはスマートフォンやPCでも使えますが、インサイト機能はスマートフォンアプリでのみ確認可能です。
PCからはデータを閲覧できないため、企業や個人が所有するスマートフォン上のアプリをインストールしなくてはなりません。
ただし、外部から出ているPC用のInstagram分析ソフトやアプリなどもあるため、必要に応じて利用するのもおすすめです。
データをダウンロードできない
企業のInstagramアカウントは、重要な集客・マーケティングツールの一つです。
インサイトで得られる正確な数値やデータを、参考資料として活用したいケースも多いと思います。
しかし現時点では、インサイト機能のデータをCSVファイルなどの形でダウンロードできません。
外部出力できないため、データを手入力したり、アプリ画面をスクリーンショットしたりと工夫が必要です。
インサイト分析を行ってアカウントをブラッシュアップ
いかがでしたでしょうか。
今回はInstagramのインサイト機能で得られるデータの種類や活用・分析方法を解説しました。
スマートフォンアプリ上では、プロアカウントのパフォーマンスやフォロワーに関する豊富な情報を手に入れられます。
インサイトを効果的に分析し、運営を継続的に行うことで、アカウントをブラッシュアップさせましょう。
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