2025年3月コアアップデートでAI Oveviewが増加！生き残るための対策は？

「AIが検索結果に答えを表示してくるようになって、自分の記事が読まれない…」——そんな違和感や焦りを感じていませんか？

Googleが検索結果の上部に「要約されたAIの答え」を表示するようになり、多くのユーザーがその場で検索を終えてしまう、いわゆるゼロクリック検索が急増しています。

実は、2025年3月に実施されたGoogleのコアアップデートから、ますますその傾向は強くなっています。

この記事では、GoogleのコアアップデートとAI Overviewの影響を踏まえて、これからの時代に通用する集客術をわかりやすく解説していきます。

この記事のハイライト

・2025年3月のGoogleのコアアップデートにより、AI Overviewの表示数が増えている。

・約60%がゼロクリックで終わっていて、検索のクリック率は下がっている。しかも、クリックされたとしても、約43%は「Google関係のサイト」に流入している。

・AI Overviewに表示されたとしても、上部の1/3しか読まれてない可能性がある。

・E-E-A-Tを強化して、検索順位をあげることで、SEOも強くなり、AIOにも選ばれる。

・AIに影響を受けない「メルマガ・YouTube・ポッドキャスト」などに力を入れるべき。

Googleコアップデートとは？

コアアップデート（正式には「コアアルゴリズムアップデート」）とは、Googleが年に数回行う、大きなアップデートのことです。

このアップデートでは、検索結果の順位を決めるしくみ（アルゴリズム）を大きく見直します。アルゴリズムの微調整は毎日のように行われていますが、コアアップデートは検索結果全体に強い影響を与えるのが特徴です。

コアアップデートが行われると、今まで検索の上位にあったページが順位を下げたり、逆に下のほうだったページが順位を上げたりすることがあります。こうした変化によって、サイトのアクセス数が大きく増えたり減ったりすることがあります。

最近では、2025年3月14日にコアアップデートが始まり、3月28日にすべての変更が終わりました（日本時間）。

2025年3月のコアアップデートで変わったことは？

2025年3月の子アップデートは、基本的には、前年度に実施されたコアアップデートの延長線上でアルゴリズムが更新されています。

Googleはコアアプデートの目的を「本当にユーザーの役に立つと感じられるコンテンツをより多く検索結果に表示し、検索順位を上げるためだけに作られたようなコンテンツの表示を減らすこと」と説明しています。

基本的にはこの方向で、今回のコアアップデートを行っているのですが、一つだけ今までにない特徴が見られます。

それは、今回のコアアップデートで「より多くのAI Overviewが表示されるようになっている」ということです。

AI Overview（AIO）とは？

AI Overviewとは、Googleの生成AIよって生成された要約を指します。検索結果ページの中に直接表示されます。短縮してAIOと呼ばれることもあります。

たとえば、「インスタグラム集客に強い無料ツールってある？」と検索すると、GoogleのAIが色々なサイトを調べて、答えを要約して検索画面の上に表示させます。これがAI Overviewです。

このAI Overviewには、参照元のリンクがついています。AIの情報を「本当かな？」と思ってより詳しく調べようとする人は、このリンクをクリックして参照元のサイトを訪問します。

しかし、多くの人は、AI OverviewでAIがまとめた答えを見て、満足して離脱します。そのため、AI Overviewがあることによって、今までよりもサイトの訪問者は全体的に減ってしまっています。

そして、2025年の3月のコアアップデートが行われたことで、このAI Overviewが増加している、という声があがっているのです。

※AI Overviewに関して詳しくは下記の記事をご参照ください↓

AI Overviewの表示数が増加している

2025年3月14日（日本時間）に開始したコアアップデート中から、AI Overviewが表示されるクエリが急増しているという記事があがっています。

クエリ全体でAIOの出現率が2倍になっている

Search Engine Landによると、特にエンタメ、飲食、旅行の3つの分野では、AI Overviewが急激に増加していたとのことです。

• エンタメ関連の検索クエリ（検索ワード）：528% 増加
• レストラン関連の検索クエリ：387% 増加
• 旅行関連の検索クエリ：381% 増加

これらの分野は、今まではAI Overviewがあまり表示されなかった分野なので、増加率が大きくなっています。それだけ、色々な分野でAI Overviewが広がってきているということです。

そして、クエリ全体でも AIO 出現率は 約13%→27% に倍増しているとのことです。

AIOが表示されるクエリが約300倍になった事例もある

さらに、日本でもAI Overviewが表示されるクエリが広がっています。

例えば、DXのサポート会社LIGは、LIGドメインのページが出る検索クエリの中で、AI Overviewが表示されるクエリの数を調査しています。

記事によると、2月28日時点ではAI Overviewが表示されるクエリは15個しかありませんでしたが、3月28日時点で4,642個と、約300倍に急増していた、とのことです。

情報収集を目的とした記事が順位を落としている

また、デジタルマーケティングのブログであるDigital Identityの記事によると、「借入とは？」等の情報収集を目的としたページの多くが順位を落としている、とのことです。

その一方で、コアアップデート後に同じ「借入」というキーワードで AIO が出現している、とのことです。「借入」について調べたい人が、AIOが表示されることで、そのAIの回答で満足指定離脱している可能性があります。

AI Overviewでどんな影響があるか？

公式ブログは「AIOでクリック率が下がらない」と言うが・・

AI Overviewが検索結果の画面の中で、ユーザーの知りたいことに答えてしまうことで、わざわざWebサイトをクリックしなくても検索が終わってしまう「ゼロクリック検索」が増えるかもしれない、という心配は前からありました。

しかし、Googleの製品・技術情報ブログ「The Keyword」の記事では以下のように述べられています。

With AI Overviews, people are visiting a greater diversity of websites for help with more complex questions. And we see that the links included in AI Overviews get more clicks than if the page had appeared as a traditional web listing for that query.
（AI Overviewにより、人々はより複雑な質問を解決するために色々なWebサイトを訪問するようになっています。また、AI Overviewに含まれるリンクは、従来の検索結果として表示された場合よりも多くのクリックを獲得していることがわかっています）

ゼロクリックが増えている

ゼロクリック検索とは、検索しても検索結果を一切クリックせずに終わる検索のことです。

全世界で1000万以上のユーザーが利用するSEOツール「Semrush」の傘下会社Datosが2024年に行った調査結果によると、

Google検索のうちゼロクリックで終わる割合は、

・EUでは59.7%
・アメリカでは58.5%

という結果になったそうです。

つまり、Googleで検索されているうちの、約60%は「何もクリックされていない」ということになります。

これは当然、AI Overviewも一つの要因になっています。

※ゼロクリック対策に関して詳しくは下記の記事をご参照ください↓

AIOは上から1/3しか読まれてないかも

Kevin Indig氏とEric van Buskirk氏によって行われた調査によると、多くのユーザーは、GoogleのAI概要の上から3分の1しか読んでいないことが明らかになっています。

ただし、この調査のサンプル数は70人（モバイル42人、デスクトップ27人）と少なく、Google検索全体のユーザー数に比べると規模は小さいため、この結果が100%全部当てはまる、とは限りません。

しかし、それでも今後の方向性を考えるうえで、十分に考慮するべき内容と言えるでしょう。

この調査では、AI Overviewの特徴として下記のことが言われています。

・AI Overviewの引用リンクはほとんどクリックされない
　→モバイル検索では19%、デスクトップではわずか7.4%のユーザーしか引用元のリンクをクリックしていません。

・AI Overviewがあるとクリック率が下がる
　→デスクトップではクリック率（CTR）が半減、モバイルでは3分の1に減少しています。

・ユーザーはAI Overviewを読み飛ばす傾向が強い
　→AI Overivew内の平均スクロール深度はわずか30%。つまり、多くの人が冒頭部分だけをざっと見て、あとは読まないということです。

・RedditやYouTubeで「情報の裏どり」を行っている
　→AI Overviewから離脱したユーザーのうち、約3分の1がRedditやYouTube、掲示板サイトなどに移動して、他の人の意見や経験を確認しています。

この調査を行ったIndig氏はLinkedInでこう語っています：

the main filter is trust.

It’s -> “Do I trust that this domain / brand / company can answer my question truthfully?”

Not -> “Can this result answer my question?”

最も重要な基準は「信頼」なのです。

つまり、ユーザーが考えているのは「このドメイン／ブランド／会社が私の質問に正直に答えてくれると信じられるか？」ということです。

「この検索結果が質問に答えているか？」ではないのです。

AI Overviewが答えを出してしまう中で、ユーザーはそれを「さっと読んで離脱する」か、「本当かな？と疑って情報の裏どりをしに行く」か、2つの行動をとっています。

裏どりをしようとするユーザーが最も重視しているのは「信頼性」です。AIが答えを出したとしても、その答えが信頼できるかどうかに不安を持っていて、さらに信頼できる情報を求めています。

その人たちに対して、信頼性の高い情報を提示すると、あなたはAI時代に選ばれる存在になります。

つまり、これからのSEOは「クリックされること」だけでなく、「見られて、信頼されること」を目指すべき時代に入っているということです。

AI Overviewのリンクの43%はGoogle関連のサイト

また、AI Overviewには参照元のサイトのリンクが表示されるのですが、実はこの表示されるリンクに構造的な問題があります。

SE Rankingによる調査では、AI Overviewのリンクの43.42%（約6万件）がGoogleの検索結果ページや、Google関連のページにリンクされていた、とのことです。

つまり、

googleで検索をする
↓
検索画面（A)が表示される
↓
検索画面（A)にAI Overviewが表示される
↓
検索画面（A）のAI Overviewの参照元のリンクをクリックする
↓
検索画面（A)とは別の、検索画面（B）が表示される or Google関連のサイト（Google mapなど）が表示される

という現象が、約43%の確率で起こっているということです。AI Overviewのリンクは、Googleの自社のリンクが半分近く含まれています。

AI Overviewの一つの回答には、平均4～6個のGoogle関連のリンク（Googleの検索結果が画面か、Google独自のサイト）が貼られています。あなたのブログのような外部サイトのリンクはあまり貼られてない、ということです。

さらにMomenticによる別の調査によると、ユーザーは平均で10回Google内をクリックしたあとに、やっと他のサイトへ遷移する傾向があると判明しています。

これらの結果から、「GoogleがユーザーをGoogle関連のサイトにのみ誘導する『囲い込み戦略』をとっている」と言われています。

実際、ChatGPTはユーザー1人あたり1.4回の外部リンクにユーザーを送っているのに対し、Googleは0.6回と、半分以下にとどまっています。

つまり、

・AI Overviewの引用元のリンクの43%は、あなたのブログのような外部サイトではなく、Googleの内部ページ（検索結果ページやGoogleのサービス）へのリンクである。

そのため、

・AI Overviewにあなたのブログのリンクが「直接」引用されていない限り、あなたのブログへのアクセス（トラフィック）はあまり期待できない可能性が高い

ということになります。

コアアップデートとAIOの対策をするには？

以上のことを踏まえて、今後は「AI Overviewに引用されて『直接』リンクを貼られること」と「AI Overviewの影響を受けないマルチチャネル対策」の2つが必要になります。

E-E-A-Tで検索上位に行く

今後はますますAI Overviewが増えていきます。そして、そこで引用元として貼られるリンクの43%はGoogle関連のサイトです。

ということは、残りの57%の「google関連のサイト以外のリンク」に選ばられないと、AI Overviewからはあなたのサイトにアクセスは来ません。

では、どうすればAI Overviewに引用され、直接リンクを貼られるのでしょうか？

そのためには、GoogleのAIに「このサイトは信頼できる。直接リンクを貼って引用しても大丈夫だ」と思われないといけません。Googleに信頼される必要があります。

Googleに信頼されるためには、E-E-A-Tの基準を満たすことが必要です。

E-E-A-Tのとは「信憑性」を評価するGoogleの指標を指します。

Googleは、「このサイトが信頼できるかどうか」をこの4つの基準で判断します。

あなたの記事が、すごくざっくり言うと、「自分の経験に基づいていて」「専門性があって」「第三者から推薦されるような権威性があって」「嘘を言ってなくて信頼できる」という要素があれば、Googleから評価されます。

Googleから評価されれば、AI Overviewにも引用されるし、リンクも貼られる可能性が高くなると思われます。まずは、この4つの要素を満たせるようにしましょう。

※E-E-A-Tについて詳しくは下記の記事をご参照ください↓

E-E-A-Tによって、検索上位に表示されると、AI Overviewに引用される確率が上がります。

SEO研究チャンネルの調査によると、AI Overviewに表示されるURLの約60.9%が、自然検索（広告ではない普通の検索）で20位以内に表示されているとのことです。

検索意図とあなたの記事がマッチしていれば、20位より下位の記事でもAI Overviewに選ばれることはありますが、基本的には上位にある記事が選ばれやすいです。

よって、まずはSEOを頑張ること、特にE-E-A-Tを意識した記事を書くことが、AI Overviewに選ばれる基本中の基本になります。

構成や文章の構造化を見直す

E-E-A-Tを押さえたうえで、AIに引用されやすい文章の構成や構造を作ることも大事です。

AI Overviewはページ内の情報を引用して回答を生成しているため、ユーザーが回答を見つけやすい構成＝AIにも見つけやすい構成にするのです。

例えば、見出しに「〇〇とは？」みたいな、ユーザーが検索するときの質問を書いておき、すぐ下の本文にその答えを書く、という構造にすると、引用されやすい傾向にあります。

言語の手がかりも大事です。「ステップ1」「重要ポイント」「まとめ」などの表現は、AIに構造や目的を伝える手助けになります。

つまり、人にもAIにも分かりやすい構造にして、大事なところが明確にわかるようにしましょう。

AIの影響を受けない「マルチチャネル」を作る

Google検索がAI Overviewでクリック率が下がり、かつGoogleが「囲い込み戦略」を取っている中で、今後は「Google検索に頼らない集客」も大事になっていきます。

SEOやGoogle検索からの集客を捨てるというわけではなく、SEOもやるし、SNSもやるし、YouTubeもやるし、メルマガもやるし、LINEもやる、という複数の集客動線を作る「マルチチャネル」がポイントになります。

特に、おススメはYouTubeです。YouTubeはGoogleに次ぐ世界第二位の検索エンジンです。また、上述した通り、AI Overviewから離脱したユーザーの多くは、YouTubeなどに移動して情報の裏どりをします。

また、YouTubeの動画は、ユーザーがAIの要約を見て離脱する、ということが起こりません。YouTubeを押さえることであなたはAIの影響を気にせずに集客の動線を作ることができます。

また、メルマガも有効です。メルマガはGoogleのAIも囲い込み戦略も関係ありません。YouTubeなどを使って、早めにメルマガのリストを確保していくことで、AIOの影響を気にせずに生き残ることができるでしょう。

よくある質問（FAQs）

AI Overviewって、どんなときに表示されるんですか？

特に、質問系や情報収集目的の検索キーワード（例：「○○とは」「おすすめ○○」「○○のコツ」など）で表示されやすくなっています。最近では、旅行・グルメ・エンタメなど幅広いジャンルにも拡大中です。

AIOが出ると、自分のブログはもう見てもらえないんですか？

AIOによってクリックされる機会は減りつつあります。ただし、完全に見られなくなるわけではありません。E-E-A-Tを意識した質の高い記事は、AIOの参照元に選ばれやすくなります。

「ゼロクリック検索」が増えると、SEOはもう意味がないんでしょうか？

SEOが無意味になるわけではありません。ただし、「検索上位になること＝集客につながる」時代が変化しているのは事実です。

今後は、SEO単独ではなく、YouTube・メルマガ・LINE・ポッドキャストなど複数の動線を設計しておくことが欠かせません。

どんな記事がAIOに代替されやすいですか？

調査・定義・概要など、「情報収集だけで完結する記事」は、AIに要約されやすくなります。反対に、体験談・レビュー・専門家の見解・一次情報などはAIで代替しにくいため、今後も需要が高い分野です。

今すぐできるAIO対策はありますか？

はい、以下の3つはすぐに始められるおすすめ対策です。

1. E-E-A-Tに基づいた記事リライト

2.メルマガやYouTubeなど、AIに影響されにくい媒体を強化

3.ブログからファン化につながる動線（例：無料プレゼント付き登録）を整える

どれか1つでも実行することで、大きな一歩になりますよ。

まとめ

2025年3月のGoogleコアアップデートにより、検索結果にAI Overviewが表示される機会が急増しました。「ゼロクリック検索」の割合も約60%に達しており、ユーザーがWebサイトに訪れる機会は減少傾向にあります。

こうした時代の変化に対応するには、E-E-A-T（専門性・権威性・信頼性・経験）を高めるSEO対策に加え、AIに頼らない「自分の動線」を築くことが必要です。

メルマガ・YouTube・ポッドキャストなど、直接ユーザーとつながれる発信手段の強化がカギとなります。

AI Overviewに掲載されても、読まれるのはその上部3分の1だけの可能性もあります。だからこそ、ユーザーの心に届く本質的なコンテンツづくりと、「選ばれる自分」をつくる姿勢が今まで以上に求められているのです。

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