【GEO】AI検索対策は意味があるのか？クリックされない時代に生き残るための方法

かつては、Googleで上位表示されればアクセスが集まり、売上も自然と伸びる時代がありました。けれども今は違います。

検索しても、ユーザーはAIが出した「まとめ」を読むだけで、あなたのブログやホームページが、そもそも「クリックされていない」状態になっています。

そんな時代の中で「AI検索対策をしないといけない」と言われますが、それにどんな意味があるのでしょうか？

そんな時代に私たちはどうやってサービスを届けていけばいいのでしょうか？

この記事ではAI検索対策をする目的と対策を、分かりやすく解説します。

この記事のハイライト

・検索されてもAIが答える時代。Google検索の約60%がゼロクリックで終わっているし、GoogleはGoogle関連のサイトにユーザーを誘導している。

・それでもAI検索で自社の記事が引用されたり、参照元として選ばれることを目指すべき

・「人は11回の接点を経てサービスを購入する」から。

・ブログSEOもYouTubeもAI検索もメルマガもポッドキャストも、どこでも最適化して接点を11回稼ぐ必要がある。

・クリックされなくてもAIに引用されることで、信用度があがって、接点が増える

検索されてもAIでクリックされない時代

最近、Googleで調べものをすると、上のほうに「AIの答え」が出てくることがありますよね。

これは「AI Overview（エーアイ・オーバービュー）」と呼ばれていて、いろんなサイトの情報をまとめてくれる便利な機能です。

これは便利ではありますが、SEOをやっている起業家にとっては困ったことになります。

検索のいちばん上にAIがまとめた答えが出てくると、それを読むだけで満足してしまい、他のページを見に行かない人が多くなってしまうのです。

つまり、せっかくSEO対策を頑張っても、AIが答えを出すことによって、「自分のサイトがクリックされない」ことが増えてしまいます。これを「ゼロクリック」といいます。

約60%はゼロクリック

このゼロクリックは世界中で増えています。

全世界で1000万以上のユーザーが利用するSEOツール「Semrush」の傘下会社Datosが2024年に行った調査結果によると、

Googleで検索されているうちの、約60%は「何もクリックされていない（＝ゼロクリック）」になっているのです。

さらに、Kevin Indig氏とEric van Buskirk氏によって行われた調査によると、多くのユーザーは、GoogleのAIOverviewの上から3分の1しか読んでいないことが明らかになっています。

この調査では、AI Overviewの特徴として下記のことが言われています。

・AI Overviewの引用リンクはほとんどクリックされない
　→モバイル検索では19%、デスクトップではわずか7.4%のユーザーしか引用元のリンクをクリックしていません。

・AI Overviewがあるとクリック率が下がる
　→デスクトップではクリック率（CTR）が半減、モバイルでは3分の1に減少しています。

・ユーザーはAI Overviewを読み飛ばす傾向が強い
　→AI Overivew内でスクロールしている確率はわずか30%。つまり、多くの人が冒頭部分だけをざっと見て、あとは読まないということです。

googleはユーザーをgoogle内に囲っている

SE Rankingによる調査では、AI Overveiwの参照元のリンクのうち約43％、つまり10リンク中4つ以上がGoogle関係のページだったそうです。

つまり、

• 「AI Overview」に出てくるリンクの約半分は、あなたのブログではなく、Googleの自分の中のページ。
  
• だから、あなたのブログが「直接」紹介されない限り、そこからあなたのブログを見てもらえるチャンスは少ないかもしれない

ということになります。

AI検索エンジンが普及している

さらに最近では、Googleみたいな検索サイトだけじゃなくて、「ChatGPT」や「Perplexity」のような、AIを使った新しい検索ツールもどんどん出てきています。

また、今の時代では、40％以上の大人は音声検索をしています。たとえば、「明日の天気は？」ってスマホに話しかけて調べるアレです。「アレクサ」や「Googleアシスタント」のような音声検索は、毎月10億回以上行われているそうです。

ChatGPTのような生成AIも、音声検索も、結局はAIが答えを言ってしまい、あなたのサイトを訪れる人が少なくなるのです。

あなたのブログ記事は、そうしたAIの答えの「参照元」として紹介されることはあります。しかし、AIに検索をかけた人の全員が、その参照元のリンクをクリックするわけではありません。

それでも、これからの時代の起業家は、「AI検索されたときに、自分のサイトが参照元として上位表示されるべき」なのです。

AI検索で上位になる意味はあるのか？

あなたのサービスを売れるようにするには、顧客との接点を増やす必要があります。そういう意味で、AI検索で上位になるのはこれからの時代では必須です。

申し込まれるには11回の接点が必要

世界的に有名なマーケッターのNeal Patelは、

・15万本ものブログの記事
・300万件のSNSの投稿
・1万人のプロのマーケッターからの意見

…をぜんぶ調べて、今の時代に「商品やサービスが売れるにはどうすればいいか？」を分析しました。

その結果、「あなたの商品やサービスが売れるには、平均11.1回の接点が必要」という趣旨の発言をしています。

この「接点」というのはどういうことかというと、

・SNSで目にする
・ブログを読む
・メールを見る
・インスタのストーリーでたまたま見る

など、いろんな場所で何度も出会って、やっと「買ってみようかな」と思ってもらえる、ということです。

これは「オムニチャネル戦略」といいます。「いろんな場所で、少しずつ何回もお客さんに知ってもらう作戦」のことです。

2021年には「平均8.5回の接点」が必要だったのですが、それが2025年には「平均11.1回の接点」に増えているのです。「11回くらい見せてやっと買ってもらえるかも」という時代になっています。

コツコツと、いろんな場所で、あなたのサービスや商品を伝えていくことが大切になってきています。

そして、AI検索画面も「接点の一つ」なのです。

今の時代は「どこでもSEO」であるべき

また、Neal Patel氏は、「SEOは『Search Engine Optmization』の略ではなく、『Search Everywhere Optmization』の略だと思ったほうがいい」ということを言ってます。

Everywhereというのは「どこでも」という意味です。

普通はSEOというのは、Googleなどの検索エンジンで、自分のサイトが検索結果の上位に表示されることをめざすものですが、

今はGoogleに限らず、SNSでも、ChatGPTでも、YouTubeでも、音声検索でも、色々なところで人は検索をしています。

たとえば：

・インスタのハッシュタグで商品を探す
・TikTokの流行っている動画から情報を得る
・ChatGPTで「おすすめアイテムを教えて」って聞く

こんなふうに、検索はあちこちで行われているんです。だからこそ、これからの時代は「どこでも検索される」ことを前提に、情報を出していくことがすごく大事になってくる、ということです。

つまり、SEOはGoogleだけでやるものじゃなくて、SNSでも、AI検索でも、どこでもやる時代になりました。あらゆる場所で、あなたのサービスが見つかりやすいようにするのです。

・Googleでブログを見つけてもらう
・インスタで雰囲気を伝える
・広告で知ってもらう
・メールでじっくり説明する
・AIに回答の参照元として表示される

みたいに、いろんな場所でちょっとずつあなたのことを知ってもらって、最終的に「この人から買おう」と思ってもらう、という流れを作り、お客様との接点を11回作る。これがポイントなのです。

Googleの「7-11-4ルール」ってなに？

「7-11-4ルール」とは、以前Googleが出した資料を基に、商品やサービスが「信頼できるもの」として安心して買われるようになるための目安のことです。

7時間：ブランドの情報に合計7時間触れる

11回：ブランドと11回の接点を持つ

4つの場所：ブログ、インスタ、YouTube、メールなど、4つ以上の違う場所でブランドと接する

これらがそろって、ようやく「この人（ブランド）から買いたいな」と思ってもらえる、というのがGoogleの7-11-4ルールです。

この「7-11-4ルール」はGoogleが公式に発表したルールというより、「こうすると効果が出やすいよ」という実践のコツとして広まったものです。

なので、「絶対この通りにやらなきゃ！」ではなく、自分のお客様に合わせて工夫する必要はあります。

今の時代、誰かに「これ買って！」って伝えても、1回で買ってもらえることってほとんどありません。

「なんか良さそう」→「ちょっと気になる」→「信頼できそう」→「よし、買ってみよう！」という風に、気持ちは段階を踏んで進んでいきます。

・インスタであなたのサービスを見つけて、

・何度か投稿を見て「この人いいかも」って思って、

・プロフィールをのぞいたり、ブログを読んだり、

・メルマガに登録して、内容を読んだりして、

やっと「買ってみようかな」と思う。

このように、人が行動を起こすまでには「時間と回数」が必要なんです。

SNSを何回か見ただけじゃ「この人から買っても大丈夫かな？」と不安な人が多いのです。

だから、いろんな場所で、いろんなタイミングで、少しずつ「この人、信頼できそう」と思ってもらうことが大事なんです。

こうやって「7時間・11回・4つの場所」でつながっていくことで、お客さんの心に届くようになります。

ブランドエステイトとは？

これからの時代は、接点を稼ぐためにも「AIに選ばれて紹介されること」がすごく大切になっています。それはクリックされなくてもいいんです。「まずは表示されることに価値がある」のです。

これを、海外では「ブランドエステイト」といいます。エステイトとは「不動産」という意味ですから、いわば「ブランドのデジタル不動産」ということです。

たとえば現実の世界で、お店が「駅前」や「ショッピングモールの入り口」にあると、自然と目に入りますよね？この「目立つ場所をおさえる」という発想が、ネット上でもとっても大事になっています。

・Googleの検索結果に出る
・ChatGPTやAIが答える時に紹介される
・SNSで話題にされる

これらはすべて「デジタルの一等地」といえます。こうした場所に「名前が出ている」だけで、信頼や印象がじわじわ積み重なっていくんです。

AIは、「このサイトは信頼できる」と判断しない限り、参照元として取り上げることはありません。つまり、AIに選ばれる＝あなたのサービスに「信頼のおすみつき」が付くということです。

例えば、AI Overviewに参照元として取り上げられると、「このサイトはGoogleのAIに信頼されている」と評価されます。

そうすると、ChatGPTなどの他のAI検索でも取り上げられやすくなるのです。

たとえすぐにクリックされなくても、じわじわと「見られていること」が、あなたの未来のお客様をつくるのです。

クリックされなくてもAIに表示されればOK！

だから、クリックされなくてもAIに取り上げられることが大事なんです。

クリックされなくても、SNSやAIに何度も名前が出ることで、人の記憶に残りやすくなります

「そういえば前にも見たな」
「なんか最近よく聞く名前だな」

そんな「繰り返しの刷り込み」が、未来の売上や紹介につながる資産になるんです。

まさに、不動産と同じです。すぐに家賃（＝利益）が入らなくても、土地を持っているだけで価値があるというイメージです

「AIの答えの中に名前が出ること」＝その場に「席を持っている」こと自体がすごく大きな意味を持ちます。

信頼されている証拠になりますし、ユーザーと11回接点を持つために必要になるのです。

「このサイトいつも見かけるな」が接点を生む

私は海外のマーケティング情報を調べることが多いのですが、Googleで検索したり、ChatGPTで調べたりするたびに「何かこのサイトって、よく見かけるな」っていうのがあったんです。

例えば、Neal Patel氏のブログもそうですし、Search Engine Landというマーケティングのブログもそうです。ちょくちょく見かけていたんです。

で、実際に記事を読んで見ると、わかりやすいし、面白いので、「ついでにメルマガを登録しておこう」と思って登録しました。

そして、メルマガを読んでいるうちに、YouTubeでの無料のセミナーの案内が来て、何度か見るようになりました。

こうして、

Google検索で出てくる⇒ChatGPTの検索でも出てくる⇒ブログを読む⇒メルマガを読む、

というふうに、

接点が重なった結果、無料セミナーに申し込むようになりました。

ここでセミナーを何回も見ることで、さらに接点が重なります。

そのうち、タイミングがあえば、私は何か商品を買うかもしれません（笑）

よくある質問（FAQs）

AI検索対策って、そもそもやる意味あるんですか？

はい、意味があります。たとえクリックされなくても、AIの回答に「引用」されることで、信頼性が高まり、顧客との接点が1つ生まれます。

これは、購入に必要な「平均11.1回の接点」をつくる大事な一歩になります。

Googleで上位表示されても、AI Overviewに邪魔されるんじゃないですか？

確かにクリックは減る傾向にあります。

けれども、AI Overviewに「引用される」ことそのものが、信頼の証明になります。

クリック率が下がっても、AIに「参照する価値のある情報だ」と認識されれば、長期的には「このサイトは信頼できる」という評価につながります。

AI検索対策ってブログだけすればいいんですか？

いいえ、「どこでもSEO」の時代です。SNSやYouTube、音声検索、ChatGPTなど、あらゆる場所で「検索」されています。SNSやメルマガも含めて、あなたの情報が見つけられる場所を増やしましょう。

まとめ

AIが検索の答えを瞬時に提示する時代、「ゼロクリック」の現実は避けられません。けれども、そこに表示される「参照元」として選ばれることが、今後の信頼獲得と顧客との接点につながる新しい戦略です。

ブログやSNS、音声検索、AI検索──どこでも最適化して「11回の接点」を生み出すこと。これが、あなたのサービスを選んでもらうための鍵です。

クリックされるかどうかよりも、「どんな場所でも接点を作れているか？」がポイントなのです。

SEOも、広告も、AI検索も、YouTubeも、SNSも、ありとあらゆる場所であなたのサービスが目にとまるようにしていきましょう。

「何回も見かけて、だんだん好きになってもらえるようにする」のが、AI検索時代の対策です。

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